酒米農家を訪ねて②

柏崎市をご存知の方は”海の町”のイメージが強いかもしれません。しかし、この仕事をするようになって柏崎は海だけではないんだなと感じるようになりました。実は市街地から20分も車を走らせれば広大な田んぼがたくさん広がっています。

しかし、米どころ新潟という圧倒的なブランドがあるため、実は酒を造ることに適している”酒造好適米”はあまり作られていません。なぜそのような事が起こっているのかと考えていた時なんとなく僕なりの解が見えてきました。(あくまで当社の見解です)

①価格問題
 →これは酒米が食べるお米に比べて圧倒的に安いという事です。実は他県では食べるお米=”食用米”の方が酒米より安いのです。前述の通り新潟県は”ブランド”があるため、他県に比べれば”食用米”が高い。その為、新たに酒米を造るという方が増えずらい環境である。

②酒造好適米のダブつき
 →我々酒造業者には酒造組合から毎年のお酒の移動(つまり海外、県外にどれくらい酒が移動しているか)が送られてきていますが、昨年対比の97−98%を推移しています。実はこの数字はかなりの減。毎年3−4%新潟の酒の動きが鈍っている。5年も経てば、、それに伴い製造数量を減らしている酒蔵様も多いと聞きます。(そもそも地酒蔵と呼ばれる中でも新潟県は淡麗辛口のブームもあり、小さいと言われる蔵でも他県では上位に食い込むくらいの数量を造っているところも多いです)数量を減産するということは当然お米のニーズも無くなる。という訳です。現に当社も酒米農家様を新規で見つけようと探している時にも何人からも『昔は○○酒造で酒米を作っていたが、今はニーズがなくなって辞めた』という話を聞きました。

③担い手不足
 →これはどこのエリアにも言えること。農業には圧倒的に担い手がいないのです。それは米どころ新潟県でも同じなんです。

特に①、②の理由が大きいと感がています。本当に酒米を新たに作る人を探すのが大変でした。

そんな時に出会ったのが、当蔵の蔵人でもある

▲矢島 衛 さん
です。彼の詳細は蔵人ページからご覧いただければと思いますが、彼は当社の考える酒蔵流の地域活性を応援してくれ、自身も祖父である市内の小清水地域を盛り上げる為、様々なアクションを起こしており、その一つが小清水地域の田んぼをやること。米作りです。当社の事情を説明したところ、二つ返事で酒米を育てることを快く承諾していただきました。そして、今期2018年から米作りがスタートしました。彼の子供に自分の作ったお米を食べさせたいと、初年度は食用米からのスタート。それを考慮し昨年2017年度産のこしいぶき(食用米)を用いて、僕たちの酒vol.2を挑戦しております。年号が変わって2019年度のお米からいよいよ酒米作りが始まります。

そして、我々の挑戦は続きます。来年の米作りは当社の酒粕を肥料として酒米を作ることに挑戦をする予定です。
酒粕はその言葉の如く、酒蔵にとっては悩みの種。捨てるには産業廃棄物として処分なくてはなりません。もちろん消費できれば良いですが、一回に出る酒粕の量は300kg。これが毎週のように出てくるわけです。

漬物業者様へ出荷される酒蔵様も多いですが、さすが酒どころ新潟です。もう県内の漬物業者は他の酒蔵様で手一杯状態。それであればやはり原料である酒米の栄養分として利用できれば、処分する必要も無く、酒に相性が良さそうな米ができそうですよね!!
しかし、酒粕にはアルコール成分が含まれていること、そして栄養分が過多であることから米作りには向かないと言われております。それをクリアできれば循環型農業が確立されます。彼と一緒にその課題に取り組んでみようと思います。


阿部酒造と矢島さんの取り組みにこれからも注目していただければ幸いです。

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